イラン映画「別離」観ました。
イラン映画「別離」を観ました。
イランの人々が抱える問題を通して、イランのことを知ることもできる良い作品だと思いました。
イラン映画の鑑賞は、「運動靴と赤い金魚」以来2作目となります。
「運動靴と赤い金魚」は、幼い兄妹が奮闘する様子が実にいじらしく描かれた名作でした。当時の私はまだ結婚しておらず、また、子供も授かっておりませんでしたが、自分の子供を見守るような優しい目で鑑賞したものです。
「別離」では、イランの人々が抱える問題として、離婚、介護、格差社会、司法制度、といった事柄が描かれています。これらは日本でも話題になる事柄であって、イランが日本と非常に似た状況にあることがわかります。また、だからこそ、両者の違いであるイスラム教の影響力を鮮明に感じることができました。介護する人とされる人の性別が異なる場合、その仕事内容によっては、イスラム教の教えに背くのではないかと心配になる方もいるのですね。悩ましい問題です。
ナデルが殺人罪に問われた裁判は、最終的にお金で解決することになります。
こういう制度では、お金持ちの方にとって、犯罪へのハードルが下がることになる危険もあるのではないでしょうか。この裁判についてはまだまだ語りたいことがありますが、私の刑法・刑事訴訟法への理解の浅さが露呈するといけないので、 難しい話になるといけないので、この辺にしておきたいと思います。
ラストシーンは特に印象的です。
家庭裁判所の判事から、父と母のどちらと暮らしたいかを問われた娘のテルメーが、「もう決まっています」と力強く答えるシーン。
この映画では、登場人物が、さまざまな事情から嘘をつきます。テルメーの「もう決まっています」も、やはり嘘で、「父か母の一方を選ぶことなんてできない(一緒に暮らしたい)」という意味なんだと理解しましたが、どうでしょうか。
テルメーはこのシーンで、初めて嘘をついたときと同様に、涙を流します。
気丈に振る舞うテルメーを見ながら、これが自分の娘だったらどれだけ胸が痛むことかと強く考えさせられました。私は現在も「運動靴と赤い金魚」を鑑賞した時と同様、結婚しておらず、子供も授かっていないのですが。
gad
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